相見積もりサイトを使うときに注意すべし3つの落とし穴

相見積もりをするときは…
相見積もりをするときは…

屋根工事にかかわらず、ネット上には多種多様な「相見積もりサイト」というのがございます。引っ越しの相見積もりサイト、車買取の相見積もりサイト、太陽光発電の相見積もりサイトなど、いろいろな業種に広がっています。

相見積もりを取ることは、比較検討するという意味でも大切なことですが、相見積もりを取るという事は、複数の業者に依頼をしないといけないという事で、自分一人で探して連絡してと言うのは非常に手間がかかります。そこで、相見積もりサイトが登場するわけです。一度条件などを入力すれば、サイトの方で複数の業者に連絡を取ってくれるので、とても便利です。また、多くのサイトでは、依頼する側は無料で登録できる仕組みになっています。ですから、気軽に頼めるわけですね。

落とし穴その1「実はタダではない相見積もりサイト」

ところで、そういった相見積もりサイトは、どのように運営されているのでしょう。ちょっと考えても、インターネットで情報を送ってくれているのには、それなりの経費がかかっているのがわかります。多くの相見積もりサイトは、ネットで検索した結果や人が多く訪れるサイトへの広告を表示させて、その広告(PPC広告などと言います)から相見積もりサイトに誘導することをしており、その時点でサイトは広告料金を支払っています。情報を集めるのも、サイトの仕組みを作るのも、すべて人件費がかかっているでしょうし、維持メンテナンスにも費用がかかるわけです。

こう考えると、たくさんある相見積もりサイトはボランティアが好意でしているわけではなく、何らかの収益を生んでいるから続けられているという事がわかります。しかも、雨後の竹の子のようにたくさんの相見積もりサイトができていますが、これは裏を返せば、そこそこ儲かるビジネスだという事がわかります。

ここからは、他の業界はわからないのでリフォーム関連の業界について書きますが、お客さんが相見積もりサイトに依頼をかける時点ではタダで依頼できるわけですが、実際にはその費用は、見積もりを頼まれる業者の方が払っており、当然そういった経費は工事の代金に上乗せされるので、相見積もりサイト経由で工事をすると実は高くなっているという事実があります。つまり、相見積もりサイトの利用料は、本当はタダではないのですね。

業者の負担の仕方はサイトによって様々です。業者からサイトの側への登録料金をとっているサイトもあれば、登録は無料だけれど、紹介1件あたり成約関係なくウン万円と言うところ。また、サイトからの紹介で成約した場合には、契約金額の1割から3割ほどを成約料として徴収するところもあります。その方法は千差万別ですが、とにかく業者はそこそこ響くほどの金額を支払う必要があり、それはそのまま工事代金に上乗せされるわけです。その上、紹介料を払ったものの成約しなかった場合の損失も、成約した人の契約に間接的に諸経費として上乗せされるのですね。つまりお客さんが直接工事店を探して依頼するよりも、相見積もりサイト経由の方が工事代金が高くなると考えていいでしょう。そう、つまり相見積もりサイトは実はタダではないのです。

落とし穴その2「信頼できる業者のみ集めています」の根拠はググったら出てきました程度のところも多い

相見積もりサイトのうたい文句として、「信頼できる業者のみ集めています」というものがあります。信頼できる業者のみなら頼もうかなとなる訳ですが、実はその根拠が割と曖昧だったりします。

建設業許可の写しを提出させるなど、登録時に何らかのチェックをしているサイトはまだしも、中にはノーチェックで登録できるところもあります。「信頼できる業者」という根拠はなんですかと聞いてみても、「ググったらホームページが出てきたからです。」程度のところも多くあります。そもそもその対象地域に業者がないサイトだと、相見積もり紹介の依頼が来てからクグって連絡してくるサイトもあるくらいです。それでも長い年月が経過すれば途中の依頼履歴からその工事業者の質を判断できようかとも思いますが、多くのサイトは長くてもここのところ数年という物ばかりです。

もちろん中にはちゃんと業者対応の担当者を置いて細かくコンタクトを取ってフォローするなど、信頼に足る業者を育成する姿勢のサイトもありますしすべてが口先とは言いませんが、一般消費者が感じるレベルの「信頼できる業者のみ」という雰囲気からは割り引いて考えた方が良さそうです。

落とし穴その3「紹介はするが責任は持たないサイトが多い」

多くの相見積もりサイトは、紹介するところまでがサイトの仕事で、業者との工事契約にはからみません。つまり、あくまでも業者からは紹介料などをいただくだけなので、元請けになるわけではないのです。ですから、お客さんと紹介された工事業者の間でなんらかのトラブルが発生しても、多くの場合は全く動いてくれません。中には相談にのって仲介に入るところもないこともないですが、多くは「後はご当人同士で…」と、お見合いをもってきたおばちゃんかという感じなってしまうのです。

優れている点ももちろんあります

以上、落とし穴を三つ紹介しましたが、悪いばかりかというと良い点もしっかりあります。落とし穴その3で責任を持たないサイトが多いと書きましたが、サイトによってはお客さん側に立って業者と交渉をしてくれるところもあります。特に、最初の相見積もりで成約業者以外への断り連絡は代行しますと言うところは多いですね。また、サイト独自の工事保障をつけてくれるところもあり、施工業者が失敗してもある程度カバーをしてくれたりします。工事代金のローンを提供していたり、零細の工事業者では手が届かないところのサービスを提供しているところもあります。また、なかにはそもそも業者が支払う必要のある紹介料を安く抑えて成約工事料も取らないところもあります。そのようなところですと、直接お問い合わせのお客様とそんなに変わらない価格で工事を提供できたりします。

結局 相見積もりサイトを使うなら

と言うわけで結論です。相見積もりサイトは、「時間がなくて自分では探してはいられない、あるいはたくさん探したけれど連絡の手間がたいへんでやってられない。」と言う人や、「充実した保障や多様な支払い方法がありがたい」という人には有用なサイトで、工事金額が何割か上がっても活用する意義はあるでしょう。逆に、時間はあるのでじっくり探して自分でコンタクトも取りたいという人は、地道に自分で検索して調べるほうが、勉強にもなるし安くも上がると思います。相見積もりサイトは、賢く使いこなしたいですね。

ごまかしは御法度

ところで、ごくたまに相見積もりサイトから紹介されたお客さんから、「相見積もりサイトにはわからないようにするから、ごまかして直接安く工事してくれ」と、相見積もりサイトの成約料をチャラにしようという提案をする人がいますが、それはやめましょう。2つの理由があります。

1つはもちろん法的な問題です。相見積もりサイトの生命線は紹介料や成約料ですから、それをごまかして発覚した場合、とんでもない違約金を賠償する必要が発生します。また、生命線であるからこそごまかされないような仕組みを持っていて、隠しても発覚するようになっているものです。お天道様は見ています。

もう一つ。よく考えてみて下さい。屋根の工事やリフォーム工事は、後から見えなくなる部分が必ずありますし、実はその部分が住み心地や使い勝手、すまいの寿命に直結する大切な部分であることも多々あります。そんな大切な見えない部分がある工事というしろものを「相見積もりサイトにわからないようごまかしてお金安くしてくれよ」という悪巧みに「はいはい、良いですよ。だましてやりましょ。へへへ」などというメンタルを持った業者に任せて、本当に良いのですかという点です。相見積もりサイトを平気でだます業者なら、お客さんであるあなたをも簡単にだますと思いませんか?

そういうわけで当店では、相見積もりサイトから来た人は、相見積もりサイト仕様の見積もりを出しています。お天道様に顔向けできないごまかしは、一切できません。あしからず…

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