台風襲来にてんてこ舞いでしたよ

一昨日、6日の時点の天気予報では、台風18号の予想進路のど真ん中に、京都が入っていたんですね。で、これは大変という事で、7日は6カ所の現場を順番に回って、一日がかりで台風対策をしてまわりました。

昔、もう15年くらい前でしょうかねえ、丁稚時代に、台風が初めて11月に上陸した年があったんですね。で、その日、あるお寺の現場で本堂の葺き替え工事をしていて、棟を積んでいたんです。で、朝から風が出始めて、昼前からは雨が降り出しました。これでは仕事ができないという事で、棟を包むように分厚いシートをかぶせて、両側に重い足場板を打ち付け、まだ紐をきっていないのし瓦の束をいくつものせて、さあ、引き上げようとした時です。

ふと、本堂の屋根を見あげると、そのたくさんののし瓦の束で抑えたシートが、ふわあぁ〜っと、スローモーションのように飛んだんですよ。

びっくりしましたよ〜、そりゃあもう…[tegaki]Σヽ(>o<*)ノ ウワァッ!![/tegaki]

それ以来、台風対策は肝に銘じてしっかりしなくてはと、心するようになりました。

7日は、午前中はまだ雨が降り出さなかったので、まずは朝一で、ご近所のお宅から頼まれた割れた瓦の差し替えに走りました。ここで、一時間弱くらい。

次に、もう一軒ご近所さんで、野生の猿が悪さをして壊れた樋からあふれた雨水が雨漏りになっているお宅に、とりあえずの応急処置に走りました。ここでも一時間くらい。

このあと修学院まで移動して、新築の現場が、透湿放水ルーフィングだけ張ってその上にシートをかぶせてある状態でしたので、重石の瓦をのせて、それだけでは以前のお寺のように風に負ける可能性が高いので、ロープで重石の瓦同士を結びつけまくり、さらにシートの端は破風や軒先の鼻隠しにくくりつけまくりました。この作業に3時間ほど。途中、正午をまわった頃に雨が降り出し、雨合羽を着ての作業です。

このあと、腹が減っては戦が出来ないという事で昼食をとり、次の現場の重石に使う材料をとりに問屋さんに向かいました。棟の積み替えだけ依頼を受けているお宅で、とりあえずシートだけかぶせてあるところが2軒あり、ここに重石を追加するのに、棟の葺き土に使う南蛮漆喰「シルガード」を使おうと思ったのです。

問屋さんに行ってみると、やっぱりみんな同じ事を考えるんですねえ。朝から普段の倍のペースで売れていて、私が在庫の残りを全部引き取ってきました。もうちょっと遅かったら、路頭に迷うところでしたよ。(^^;;;

なんとか入手できたシルガードを持って、八瀬に戻り、棟の積み替え予定のお宅一軒目に重石をあげました。これが終了した時点で、もう3時をまわっていましたね。

このあともう一軒八瀬で、蔵の下屋根の修繕で、大工さんに野地をなおしてもらってルーフィングだけ張ってシートをかぶせてある現場に重石を追加に行きました。ここは、既存の瓦を再利用して、練り直した土で拭き直すことになっているので、シルガードをあげておいても、また下ろさなくてはならなくなりますから、既存の瓦を何枚かまとめて紐で括って束を作り、それを並べて、それぞれをロープでつなぐという方法をとりました。ここを出たのが4時半頃。雨もしっかりした雨あしになていました。

そして最後に、上賀茂の古いアパートで、棟の積み替え予定の現場に行きました。隣が大家さんのお宅なんですが、大家さんも屋外のでっかい狸の置物を屋内に運び込んだり、雨戸を固定したりと、台風襲来に供えている最中でした。こちらも、挨拶をしてすぐに残っている南蛮漆喰を屋根に上げて行きました。この屋根は、昭和30〜40年代によく使われた、塩焼きという瓦が使われているのですが、これが、気を抜くとすぐに滑るんですよね。その足元のおぼつかない中、30㎏ほどある南蛮漆喰を担いであげて、ロープで結わえて固定して行くんです。幸いだったのは、風がまだそんなに出ていなかった事ですね。風が出ていたら、あぶないところでした。

6時半頃には、すべてを終了。もしも直撃して50mとかの風が吹いたらこれでも大丈夫かどうかなんとも言いがたいところではありますが、出来うる限りの対策はとりましたので、あとは、祈るしかないですねえ。

さて、結果、予定の直撃コースからは外れて、紀伊半島の南岸側を通って知多半島に上陸というコースでした。当店はお陰さまで被害なく過ごさせていただきました。

ところで私の静岡の実家は、今回すぐそばを台風が通って行ったという事で、波板が二枚飛ばされて、車にキズがついたという被害があったようです。これはまだ軽い方ですが、全国各地では、この台風で被災された方も多くおられるようですね。お見舞い申し上げます。一日も早く復旧されますよう、お祈り申し上げます。

2 thoughts on “台風襲来にてんてこ舞いでしたよ

    1. さすらいの絵描きさん、ありがとうございます。返信が遅くなってすみません。こちらからも、リンクさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

コメントを残す