京都市の新景観条例についての勉強会

昨日、現場を終えてから、京都市でこの9月から施行される新しい景観条例の勉強会に行ってきました。京都市の都市計画局の課長さんをお招きしての勉強会でした。

京都という街は、非常に古い歴史の街だけれど、同時に日本初がけっこうあるんですよね。最先端を行くのが好きだったりする街です。で、今回の景観条例の運用にあたっては、場所の特定に、世界測地系という、世界共通のしくみを現場レベルにまで導入したとか。GPSとか、積極的に利用して行くそうです。

また、京都ならではの規制として、出町柳から上の賀茂川西岸から大文字山を見て、大文字が全て見えるラインから、建物が上に飛び出ないようにということになったそうです。

これは、建物の高さ規制と同じような気がしますが、建物自体の高さを規制しても、悪質な業者は土地自体の地盤を高く造成して、人工的に高台を作るという事が予想されているそうで(今はまだそういう事例はないようですが) 、そうすると建物自体は規制に合っているのに大文字が見えないということになりかねないという事で、高さではなく、一定の面で規制するということになったようです。

あと、一部地域では、例えば12mまでの規制の土地でも、屋根を傾斜屋根にするのであるのなら、軒先が12mまでであるなら、屋根の一番高いところは15mまでオッケーとか、三角屋根を推進する方針のようですね。

それから、特に風致地区とかでは、屋根材には日本瓦が義務付けになっています。また、外壁の色についても、具体的な数値で禁止色が決まりました。

なんでこんな厳しいのかというと、それぞれの個々の建物は所有者の個人財産で本来自由なんだけれど、個人財産であるたてものが寄り集まると、景観を形成するのですが、この景観は公共の財産なんだ、という考えから来ているのだそうです。

いやあ、いろいろ勉強になりました。屋根は非常に強い景観の要素ですから、こういう面からも、もっと研鑽を積まなくては…。

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