今日は、ひじょーに、何というか不毛なというか、有意義なはずなのに報われないっちゅうか、ともかく、鼻水たらたらしながら極寒の中で震えつつ、がんばってきましたともっ(T_T)
えっと、仕事前の写真がこれ。
で、仕事後の写真がこれ。
我ながら、間違い探しみたいで嫌だなぁ(笑)
職人さんならともかく、一般の人には何が違うかわからないでしょ?お施主さんにもあまり理解されなかったりして( *´Д⊂ グスン…
実はこのお宅では、瓦の下から出ている銅板(腰葺き)を、板金屋さんが取り替えというか、葺き増ししたんですね。で、一番前の一文字瓦の下の銅板を取り替える時に、板金屋さんはぱかっと瓦を起こして、銅板の仕舞がついたらもとに下ろしておいたわけです。
その状態で年を越したわけですが、実は短期的にはこれで何という事もないのですが、長期的に見た場合、これではいけないんですよ。
まず一つに、瓦の納まりがちぐはぐにずれてしまっていました。これは美観上問題です。まあもっとも、瓦の方はそれなりに年数がたっているものなので、まあ良しとするかという考えもできます。
そうであったとしても、別の理由で、このままではダメなんですよね。
金属は、温度変化に反応して、体積が変化しやすい物質です。つまり、一日の温度変化の中で、微妙に伸びたり縮んだり、毎日動いているわけですね。
瓦の方はそんなに大きく変化しません。という事は、同じ場所においておくと、一日のうちで変化が違う分、こすれ合ってしまうことになります。
銅板の上にどっかりと瓦が体重を預けてしまうと、銅板と瓦の接触部分が強くこすられてしまいます。人間の目では見えないほどのこすれ具合なのですが、これが長期にわたると、やがて銅板に穴があいてしまうんですよね。
それを回避するために、腰葺きの時には、銅板と瓦は微妙に隙間を空けておかないといけないのです。
で、その微妙な隙間というのが本当に微妙!写真の場所は玄関の真上の下庇なので、人の目が非常に近いんですね。ですから、あんまり気楽に隙間を空けると今度は格好が悪いわけで、だから本当に微妙。さらに、新築と違って屋根自体も微妙に波打っているので、そいつもうまいこと折り込んで行かないといけません。しかも、自分が合わせた瓦ではなく、昔の職人さんが合わせたものなので、微妙にクセが違ったりしますしね。
お客さん:「あら、かぶせてくだけだし、半日くらいで終わるのかと思った。」
私:「これはそんな簡単なもんじゃないんですよ〜(T_T)」
お客さん:「じゃあ、夕方までかかるの?」
私:「いやぁ、日も短いですし朝は凍っててはかどりませんから、あと二日は楽勝かかりますよ(T^T)」
お客さん:「ふ〜ん(〃 ̄ω ̄)σ…」
私:「………(だって、あと30mもあるんやもんo(ToT)o ダー)」
はい、明日も楽しんできますともっ!
お気持ちお察しします。
昔に比べると、違いのわかるお施主さまが減りましたね!
日本の文化を守るために、違いのわかる人になろう!
さすらいの絵描きさん、コメントありがとうございます。
違いがわかる人が少なくなったのは、きっと、世の中が忙しくなっちゃった事が大きな原因になってるような気がします。
そういえば、空を眺めて「どうやら、下り坂かな?」とか天気を読む人も少なくなった気がしますねえ。みんな、天気はどうかと思っても、空を見ずに携帯電話を操作して天気情報をみるでしょう?これって、ちょっと、つながってると思いました。