雨漏りの原因は新築時のズサンな工事でした

京都市左京区大原のあるお宅から、雨漏りがしているので見てくれとご相談いただき、さっそく見に行きました。

築17年の家でカラーベストとの事で、しかも今まで一度もメンテナンスをしていないという事でしたので、どこかにガタが来ているのかと思ったのですが、原因はすでに17年前の建築時に発生していました。ズサンな工事が原因だったのです。これは手抜き工事以前の素人工事とでも言いますか、本職の屋根屋であったら、たとえ手を抜いたとしてもこんな事はするはずがないというひどい代物でした。その写真がこちら。

すがる部のケラバ板金(1)

この写真の手前側が屋根の棟側、奥が軒先側です。このように側面がガンギになった部分(L型に曲がった部分)を「すがる」と言います。すがる部分の板金処理は、雨漏りを起こさないために非常に重要なんですよ。ところがこのお宅では、次の写真のようになっていました。

すがる部のケラバ板金(2)

最初の写真の、すがる部分を拡大した物です。この写真でわかる通り、ケラバ板金の端部処理が全く行われていません。いわゆる、切りっぱなしです。当然、上から流れて行った水は、ケラバ板金の下に入って野地等を腐らせて行きます。

化粧スレート系の屋根材は、和瓦等の施工に比べ比較的簡単にできる事から、屋根工事が本職でない大工さん等が、見よう見まねでやっちゃう事があるんですね。カラーベストの板金処理では、すがる部分板金の端部処理加工は、比較的難しい方に入ります。プロにとってはなんて事ない端部処理なんですが、見よう見まねでできる部分ではないのです。

このお宅では、ここから少しずつ少しずつ入った水の影響で、野地が腐って行き、ゲリラ豪雨があった日に、一気に天井に水たまりを作りました。ひどいです。

今日は見積りの下見だからといって、このまま放置して帰るわけには行きませんから、次の写真のように、ひとまずの応急処置を行いました。

すがる部のケラバ板金(3)

板金を差し込んでコーキングで接着。緊急避難的な応急処置です。これですと、横風の強風時に水が板金を横に伝って入る可能性は残りますから誉められた物ではありませんが、ひとまず流れてくる水は逃がす事ができます。こうしてとりあえず雨漏りをとめておいて、今後どのようにするのか相談をしました。

このお宅では最終的に、ファイバーグラスシングル・オークリッジプロのカバールーフ工法で、全面リニューアルすることになりました。

ちなみにすがる部の正しい端部処理は、次の写真のように折り畳んで口を塞ぎ、上から来る水をすくえるようにするのです。

すがる部のケラバ板金(4)

また、あまりかっこいい物ではないのですが、既製品の部材もあるので、日曜大工でされるのであれば、そういった部材を活用するといいでしょう。

2 thoughts on “雨漏りの原因は新築時のズサンな工事でした

    1. そうですねぇ、ありますねぇ。ああいうところこそ、腕の見せ所なのにねぇ…ヾ(´ε`; )ゝ ふぅ。。。

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