3月 14 2008

屋根から落ちないように、命を助けてくれる足袋の話

11日は、前に書いたように、左京区修学院の新築の屋根に、陶器平板瓦「スーパーセラブライト」を葺きました。で、屋根の片側は完成したのですが、12日は、一日その現場をあけて、別の瓦屋さんの応援に出動しました。

私たちのような小さなお店は、仕事の波もありますし、大小もありますから、人手が足りない時には応援に来てもらったり、逆に相手が足りない時には応援に行ったりして、助け合って仕事をしているんですね。

今回は、以前うちの現場に応援に来て下さった瓦屋さんのところで人手が必要になったということで、一日だけですが応援に行ってきました。声をかけて下さって、[tegaki]ありがとうございます。[/tegaki]

で、行った現場が、銀閣寺周辺の民家だったのですが、何とそこは、私が大学時代から瓦屋に勤めだして数年間の間住んでいた、家賃[tegaki]1万円[/tegaki]の下宿屋の、目と鼻の先立ったんですよ。今はもうその下宿屋は建て替わってアパートになっていましたが、哲学の道のあたりとかを見て、あの頃のことをいろいろ思い出してしまいました。

そういえば、大家さんにも色々迷惑かけたなあ…。ホント、[tegaki]ごめんなさい…[/tegaki]

さて、そんな思い出した話の一つが、命を助けてくれる足袋の話です。

最初にお世話になった瓦屋さんは、アルバイトで入ったんですよね。それで、まだ本当に最初の頃のことだと思います。

一日の工事が終わって、下回りの掃除も終わって、さあ帰ろうとなった時。私は瓦の上で動きやすいように履いている地下足袋を脱いで、通勤用の靴に履き替えました。で、脱いだ足袋をポーンと、 めくった古瓦が積んである2トンダイプの荷台に投げ込んだんですよ。

すると、それを見ていた安城さんという古株の瓦葺き職人さん〜この方が私の屋根屋としての師匠なんです〜が静かに、

「足袋はなぁ、そないに扱うもんやないで。命を預ける足袋や。大切にしたらな。ていねいに扱っとったら、万が一屋根から落ちかけた時にも、足袋が助けてくれるんやで。」

そう教えてくれました。

「はい…。」といいながらも、その時はわかりませんでした。ものを大切にしなさいよというお話程度に受け取っていました。

でもね、違うんですよ。本当に、足袋は生きているんですよね。あれ以来今までに何度か、屋根から落ちかけたことがあります。いや、タイミング的にはもう落ちていたと思うんですよね。でも、不思議と落ちずに済む、そんな体験を何度かして、 [tegaki]ああ、そうか…[/tegaki]やっぱり、足袋にも、他の道具にも、何かが宿っているなあと、そんな風に思っています。

そんなわけで、ほんとのところは、子どもの頃から片付けが大の苦手で、いまも軽トラックの荷台はすごいことになっていますが、それでもバイト君たちに向かって、「あんなぁ、足袋にも心があるんやで…、だからなぁ……」なんて、語ってしまう私がいます。 [tegaki]う〜ん。[/tegaki]あんまり説得力ないかなぁ(^^;;;;

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