弘法大師ゆかりの由緒ある井戸の屋根を葺き替えることになりました

京都市左京区大原。三千院寂光院などで有名な、京都洛北郊外の古くからある里です。

薬師堂の門この大原の、三千院にほど近いところに、大原薬師堂があります。ここには、弘法大師様ゆかりの由緒ある井戸があるのですよ。

実はこのたび、由緒あるこの井戸を守るお堂の屋根の、葺き替え工事をさせていただくことになりました。

薬師堂の由来井戸脇に立つ看板には、この井戸の由緒が書かれています。曰く…、

「この霊泉は、天長年間に弘法大師のご霊感により、萬人攘癘のため、大師の高弟真済僧正により開基せられたものと伝えられている。以来井泉の傍らに一宇を建て、薬師如来を安置す。貞観九年(867年)文徳天皇の第一皇子、惟喬親王、この地へ来られ、小野山麓に籠居された後、ご出家遊ばされるや、ご信仰浅からざりしと伝えられている。爾来、春風秋雨七百余年を経る天正二年(1574年)江州雄琴城主、佐々木秀純公、井泉並び堂宇の荒廃を嘆き、これを改修され、その後随時補修を加えて現在に至っている。」

今年(平成20年)は、7月の18日(金曜日)がご縁日ということで、日曜日までの3日間、お祭りが行われ、多くの参詣者が集まりました。

薬師堂井戸お祭りの期間中は、井戸の前に仮設の水汲み場が設けられます。多くの参詣者が、無病息災・家内安全を祈って、ここで水を汲み、持ち帰ります。持ち帰った水は、一年間大切に使われるとのことです。この水を、「大原御香水(おおはらおこうずい)」と言います。御香水というと、京都市伏見区の御香宮の水を指すことが一般的ですが、こちらの御香水もまた、非常に古くから由緒のあるものなんですよね。

薬師堂井戸の屋根井戸を守るお堂の屋根は、長年の風雨で老朽化が進んでいます。現在はまだ、井戸に影響を及ぼすほどではないですが、放置しておくと、やがてお堂の木材に影響が出てくるでしょう。そうなる前に、葺き替えを行うことになりました。

このブログでも、工事の進捗状況をお伝えしたいと思います。

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